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■NPPVってなに?・・・はじめに |
NPPVとは「Noninvasive Positive Pressure
Ventilation」の略で、日本では非侵襲的陽圧換気療法と訳されます。呼吸器(回路)と患者さんを最終的にどのような道具(インターフエイス)で、つなぐかで非侵襲的と侵襲的とに分けているのです。
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神経筋疾患においては原疾患に有効な薬剤はほとんど無く、根本的治療法も現在のところ、ありません。
生命にかかわる合併症を予防し、生活の質「QOL」を最大原に高めるために出来る事があります。このような観点から最も重要な介入が呼吸筋の捕助を活用することが最も大切な事です。
神経筋疾患は主に筋肉に影響を及ぼします。吸気筋(息をする働き)、呼気筋(咳)球筋群(喉咽頭機能)などに筋力低下が起きると生命にかかわる合併症を生じることが有ります。 神経筋疾患と診断されると、患者や家族はしばしば「この状態では”ターミナル”で治療法がない」と思います。 そして患者に「末期的病状」として”カウンセリング”することにより本当にそれが自己実現的予言になってしまいます。しかし現実には、ほとんどの神経筋疾患は、呼吸筋の捕助が無視された時しか、末期的病状には、なりません。 幸いなことに、非侵襲的な呼吸捕助療法のオプションがあり、患者の自発呼吸がない場合でも、この療法により呼息筋と呼息筋の機能を促進して合併症を防ぐことができます。
この介入法は簡単で費用がかからず極めて有効な方法です。 それが「NPPV」(Noninvasive
Positive Pressure Ventilation)です |
このNPPV導入にあたり |
熱意のある優秀なスタっフがそろっているかどうかも「NPPV」を継続するうえで重用です。
我が国の現状はどうでしょうか。
実は多くの地域で、受診されるデュシエンヌ型筋ジストロフィーの患者さんはほとんどが。呼吸:人工呼吸がらみが多いのです。
これは、すなわち高齢者?で、どうして,もう少し早くきてくれなかったのか、マスクをつければNPPVではなく、早期からの呼吸管理がNPPVの成否に大きく影響するのです。
NPPVを始める前から、そして始めてからも、適切な呼吸管理を行うことができるのです。
くり返しますが、「マスクさえつければOK」というわけではありません。体系だてた呼吸管理が必要な事です。 |
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■NPPVってなに?・・・詳しく解説して、体験談などを紹介しています。 |
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気管切開・挿管とセットだった人工呼吸の世界に変化の波がきています。
新しい人工呼吸「NPPV」は従来の人工呼吸器ケアに比べて、私達のQOLや家族・医療スタッフのかかわり方が大きく変わります。 |
非侵襲的な人工呼吸法 |
NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)とは、気管内挿管や気管切開をしない、新しいタイプの人工呼吸の方法です。鼻マスクや鼻プラグ、マウスピース、フェイスマスクなどのインターフェイスを通して上気道に陽圧を加え、肺の換気を補助する人工呼吸で、従来の気管切開:侵襲的な方法と異なり、患者への負担が少ないことが最大の特徴の一つです。
NPPVで使用する各種マスクは、当初、睡眠時無呼吸症候群に対するCPAP療法のみで用いられてきました。しかし、人工呼吸器と組み合わせることで、神経・筋疾患等の慢性呼吸不全の症状改善や睡眠時呼吸補助や終日使用による生命維持、ICUを含む急性期、そして緩和ケアにまで適応が広がってきています。 |
気管内挿管/気管切開のデメリット |
気道潰瘍や出血、気管内挿管や気管切開チューブや 吸引を介しての気道感染、気道狭窄、気管食道癌の形成
■呼吸回路が外れたり、人工呼吸器作動不良による低酸素性脳症や突然死
■気管内挿管や気管切開チューブ内での粘液栓による窒息
■通常の気管内吸引では左主気管支に入らないため、左下葉の肺炎の危険が増す
■気管内挿管や気管切開チューブが刺激となり、気道内分泌物を増やすため、定期的吸引を要する。気管切開部の慢性肉芽形成と、チューブ交換の際には痛みがある
■喉頭障害、瞭下障害、誤瞭
■不整脈誘発
■スピーチカニューレなどを用いても発声や会話がしにくい
■加湿器がないと、吸気の加湿が不十分になりやすい
■においを感じにくい。鼻をかむことが難しい
■上気道の発育不全や廃用性変化
■深呼吸後の声門を閉じただけでは息を溜めることはできない
■気管切開孔を有していることで、地域社会・学校・職場への受け入れに特別の配慮を要する。自宅にいても、外出時にも吸引など気管切開のケアができる家族や専門の付き添い人を要する。また、気管内挿管チューブを留置していると、ICUなど病院で必要時に交換できる体制が求められる。 |
NPPVの概要 |
NPPVは、これまでの呼吸器と同じ効果がある一方で、従来の呼吸療法によるさまざまなデメリット(図表2)を回避することができます。ほぼすべての過程において医師などの手に頼らざるをえない気管切開・気管内挿管に対し、導入から管理・看護において、看護師が大きな役割を果たすことができます。
そして、そのきめ柵やかなケアが成否のカギを握るとされています。
なお、この呼吸療法の呼称はまだ世界的に統一されておらず、NIV(non-invasiveventi-
lation)、NIMV(noninvasivemechanicalven-tilation)などと表記されることもあります。
日本呼吸学会は、2006年にガイドラインのなかで非侵襲的陽圧換気療法(noninvasivepositivepressureventilation:NPPV)という用語を採用されています。 |
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【雑誌の目次ページURL】
http://medicalfinder.jp/ejournal/top-03869830.html |
【解説「NPPVってなに?」】
http://medicalfinder.jp/ejournal/1661101457.html |
【座談会「NPPVで『できなかったこと』が『できること』になる】
http://medicalfinder.jp/ejournal/1661101458.html |
【当事者の声「NPPVと私/生きたいように生きる/呼吸器使用者になってみて」】
http://medicalfinder.jp/ejournal/1661101470.html |
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■神経筋疾患の呼吸管理のホームページ紹介 |
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厚生省の筋ジス研究班でもこの様な医療ネットワークについて検討され,地域医療機関への情報公開と地域毎の神経筋疾患救急医療施設の設立が必要とされてゐます.しかし現実には地域への働きかけは個々の施設の個人の努力の上に成り立つてゐるのです.ある先生は在宅診療のために休日の7時に出かけて夜の11時に帰宅されるさうです.怠けものの私は驚嘆するしかありませんが,その一方で個人の犠牲の上でしか成り立たない筋ジス医療に暗澹たる気持になります.「政策医療」が全ての患者さんに一定の医療レベルを提供することを目的とするならば,医者の首がすげ代つても成しうるシステムが確立されるべきであり,個人の努力に期待してはいけません.救急医療施設の設立に至つては,いつ実現されるものやら判りません.自治体の多くが管轄地域にどれだけの患者がゐるかすら把握できてゐないことが研究班でも明らかになつてゐます.「患者のニーズがない」からださうですが,「お上に要望を申し上げ,指示を戴く」といふトップダウンでしか物事が決まらない硬直した姿勢では真の「ニーズ」が掴める訳がありま
せん
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