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 American College of Chest Physicians Consensus Statement on the Respiratory and Related Management of Patients With Duchenne Muscular Dystrophy Undergoing Anesthesia or Sedation.

米国胸部専門医会コンセンサスステートメント

 デュシェンヌ型筋ジストロフィー患者に対する麻酔または鎮静における

呼吸管理およびその他関連する管理について*

David J. Birnkrant, MD, FCCP; Howard B. Panitch, MD, FCCP; Joshua O. Benditt, MD, FCCP; Louis J. Boitano, RRT; Edward R Carter, MD, FCCP; Valerie A. Cwik, MD; Jonathan D. Finder, MD; Susan T. Iannaccone, MD; Lawrence E. Jacobson, MD; Gary L. Kohn. MD. FCCP; Etsuro K Motoyama, MD; Richard T. Moxley, MD; Mary K. Schroth, MD; Girish D. Sharma, MD, FCCP; and Michael D. Sussman, MD

(Chest 2007;132:1977-1986)Chest/132/6/December,2007

 本コンセンサスステートメントは、鎮静処置または麻酔を受けるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)患者の管理について、米国胸部専門医会主導の集学的パネルの統一見解を述べたものである。DMD患者に対して鎮静または麻酔を行う際の管理に関していくつかの理由により専門家の助言が必要である。まず、DMD患者は鎮静または麻酔の処置によって合併症のリスクが高まることが挙げられる。さらに、心肺障害に対する治療法の向上により、DMD患者の生存期間は前例のないほどに延長されている。このため鎮静または麻酔を伴う処置を要する例が多くなってきた。DMD患者に対する鎮静または麻酔に関連するリスクには、吸入麻酔薬や特定の筋弛緩薬に対する致死的反応、上気道閉塞、低換気、無気肺、うっ血性心不全、不整脈、呼吸不全、人工呼吸器からの離脱困難などがある。本コンセンサスステートメントは、DMD患者への全身麻酔または鎮静処置の際に相互に関連する領域、すなわち呼吸器、心臓、胃腸の管理などに関して助言するものである。本コンセンサスステートメントの目的は、DMD患者のケアに携わる臨床医の助けとなること、および患者や患者家族などこの分野の関係者すべてに情報を提供することである。当該テーマについて、最新の医学文献を要約し、さらに今後の研究が必要な分野を特定している。

(CHEST 2007; 132:1977-1986)

キーワード:麻酔、コンセンサスステートメント、デュシェンヌ型筋ジストロフィー、器械による咳介助、神経筋疾患、非侵襲的換気、鎮静

略語:ACCP=米国胸部専門医会、DMD=デュシェンヌ型筋ジストロフィー、MEP=最大呼気圧、MI-E=器械による咳介助(mechanical insufflation-exsufflation)、MIP=最大吸気圧、NPPV=非侵襲的陽圧換気、PCF=咳の最大流量、SpO2=パルスオキシメーターで測定した酸素飽和度

エグゼクティブ・サマリー

 デュシェンヌ型筋ジストロフィ(DMD)は、X連鎖遺伝による進行性の神経筋疾患であり、その頻度は男子生産児約3,500人に1人である。DMDでは呼吸筋が影響を受け、拡張型心筋症を伴う。このため、心肺系に起因して死に至ることが多い。特にDMD患者は全身麻酔や鎮静処置により生理的に有害作用を受けやすく、この件に関して専門家の助言が早急に必要となっている。本コンセンサスステートメントは 米国胸部専門医会の小児胸部委員会(Pediatric Chest Medicine)とホームケアネットワーク( Home Care NetWorks)主導のパネルが策定したものである。本パネルは、麻酔学、救命医療、神経学、整形外科、小児・成人呼吸器科および呼吸療法の分野の専門家で構成されている。関連する最新の医学文献を特定し、レビューを行った。医学文献の検索と入手は米国国立医学図書館(National Library of Medicine)および米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)による情報サービス、すなわちMEDLlNEのデータベースなどをもつPubMedwww.pubmed.gov)を利用した。推奨についての合意は多数決によって行われたが、推奨事項のいずれに対しても異論はなかった。本コンセンサスステートメントの目的は、DMD患者のケアに携わる臨床医の助けとなることであり、患者や患者家族などこの分野の関係者すべてに当該テーマに関する最新の医学文献を要約して情報提供することであり、さらに今後の研究が必要な分野を特定することである。本コンセンサスステートメントは、鎮静処置または全身麻酔を受ける患者の評価と管理について、施行前、施行中、施行後という項に分かれている。

DMD患者に対する鎮静処置または全身麻酔の施行前の評価と管理について具体的提案の要約

1. 鎮静または全身麻酔を伴う処置を施行する前に麻酔科および呼吸器科からコンサルテーションを得る。

2. FVC、最大吸気圧(MIP)、最大呼気圧(MEP)、咳の最大流量(PCF)、および室内気でパルスオキシメーターを用いた酸素(酸化ヘモグロビン)飽和度(SpO2)の測定を行うなど肺の評価を行う。室内気にてSpO2 < 95%の場合は血液と呼気終末またはその一方の炭酸ガス分圧を測定する。DMD患者はFVCが予測値の50%未満であると呼吸器系合併症の発症リスクが増加するとされるが、特にFVCが予測値の30%未満であると高リスクであり、このような患者には非侵襲的陽圧換気(NPPV)を用いた術前トレーニングを考える。成人患者の場合、PCF < 270L/min 、またはMEP < 60cmH2O になると有効な咳が出せなくなるリスクが生じるとされるため、このような患者には術前に徒手的咳介助および器械的咳介助のトレーニングを考える。このトレーニングでは気道クリアランスを行う装置(カフアシスト:レスピロニクス社製、ペンシルバニア州マリーズヴィル)を用いて、重点的にMI-Eを行う。

3. 患者を心臓専門医に紹介し、臨床評価を得て心臓の治療の最適化を行う。

4. 栄養評価を行い、栄養状態を最適化し、嚥下障害の対処方法を考える。

5. 全身麻酔または鎮静処置のリスクと利点について患者および保護者と話し合い、処置についての決断を助け、さらに蘇生指標に関する決断、該当する場合は事前指示についての決断を助ける。

DMD患者に対する鎮静処置または全身麻酔の施行中における評価と管理について具体的提案の要約

1. 全身麻酔の導入と維持にはすべて静脈麻酔法の使用を考える (プロポフォールや短時間作用型オピオイドなど)。サクシニルコリンなどの脱分極性筋弛緩薬は、致死的反応のリスクがあるため絶対禁忌である。

2. DMD患者に全身麻酔または鎮静処置を行う際は、医療設定および立会う医療スタッフの最適化を行い、処置後ケアのためにICUを利用できるようにしておく。

3. DMD患者に対する全身麻酔の維持中または鎮静の処置中に行う呼吸補助の選択肢としては、特定の患者には、NPPVで抜管を促すことになる気管内挿管、ラリンジアルマスクの使用、エアリーク防止シール付のマウスピースを介した人工呼吸、インターフェイスとしてフルフェイスマスクまたは鼻マスクを用いた徒手的または器械的な(従来の人工呼吸器または非侵襲的人工呼吸用の二相性陽圧換気を用いた)人工呼吸がある。

4. DMD患者のFVCが予測値の50%未満である場合、特にFVCが予測値の30%未満である場合は全身麻酔では導入中と回復中、鎮静処置では施行中に人工呼吸器をアシストモードまたはコントロールモードで使用することを強く考えるべきである。この場合に行う呼吸補助の選択肢としては、流量膨張型の用手蘇生バッグ(標準的な「麻酔バッグ」)を用いてフルフェイスマスクまたは鼻マスクのインターフェイス経由の徒手的換気補助、従来の人工呼吸器または非侵襲的陽圧式人工呼吸器を用いてフルフェイスマスクまたは鼻マスクを介した機械的換気補助がある。

5. 術中はSpO2については持続的に、血液または呼気終末(または経皮:訳者追加)の炭酸ガス分圧については可能な限りモニタリングを行う。

DMD患者における全身麻酔または鎮静処置の施行後の評価と管理について具体的提案の要約

1. FVCが予測値の50%未満のDMD患者、特にFVCが予測値の30%未満のDMD患者には抜管後に直接、NPPVに移行することを考える。気道分泌物が十分にコントロールされ、室内

気でSp2が正常またはベースラインに達するまで抜管を遅らせることを考える。その後、耐容性に応じてNPPVの持続的使用から離脱することが可能になる。抜管後は、可能であれば患者が自宅で使用しているインターフェイスを使用するようにする。

2. 酸素付加療法には細心の注意を払う。全身麻酔または鎮静処置の施行後、Sp2を持続的にモニターする。可能な限り、血液または呼気終末(または経皮:訳者追加)の炭酸ガス分圧をモニターする。低酸素血症が低換気、無気肺、気道分泌物のいずれから生じているか判断し、適切に治療する。

3. 咳の力が低下しているDMD患者には、術後に徒手的咳介助およびMI-Eを行う。成人患者では、PCF < 270L/min またはMEP < 60cmH2O の場合、咳の力が低下しているとされる。

4. DMD患者の術後痛の管理を最適化する。鎮静状態と低換気またはその一方が認められる場合は気管内チューブの抜管を2448時間遅らせる、またはNPPVを使用する。

5. 心臓専門医のコンサルテーションを得て、術後の心臓と体液の状態を厳密にモニターする。

6. 便秘の回避や治療のために腸のレジメンを開始し、消化管運動促進薬の投与を考える。胃腸運動不全の患者には経鼻胃管を使って胃を減圧することを考える。術後に経口摂取が2448時間遅延した場合は、経静脈栄養法または小さい直径のチューブによる経腸栄養法を開始する。

今後の研究が必要な分野

 本ステートメントで今後の研究を必要とする分野を具体的に特定する。
 背景
 DMDは、X連鎖遺伝による進行性神経筋疾患であり、その頻度は男子生産児約3,500人に1人である。DMDでは呼吸筋が影響を受け、拡張型心筋症を伴う。このため、心肺系に起因して死に至ることが多い。夜間に呼吸補助を行うなど最近の医学的管理により現在、平均生存期間は約25年である[1]。DMD患者は全身麻酔や鎮静処置により生理的に有害作用を特に受けやすい[2-4]。例えば、DMD患者には巨舌がみられ[2]、上気道を拡張する筋力が低下している。鎮静および全身麻酔によって上気道の筋肉が弛緩し、上気道閉塞が起こりやすくなる。さらに、DMD患者は下顎および頚椎に運動制限があることがあり、この運動制限は上気道の開存を復活させる手技(例えば「下顎挙上法」など)の妨げとなる。全身麻酔は機能的残気量の減少をもたらすため下気道閉塞、無気肺、急速なガス交換増悪を起こし得る。高炭酸ガス血症および低酸素血症は、一部のDMD患者にみられる肺高血圧症や心伝導異常などの慢性心肺機能低下を悪化させることがある。

 本ステートメントは考慮すべき2つの主要点に端を発して作成されたものである。一つは、肺機能障害を伴うDMD患者は、鎮静または全身麻酔を要する処置を受ける場合、高リスクを伴うということである[2]。もう一つは、DMD患者の生存期間は、最近の心肺管理法によって前例のないレベルにまで達してきたため、DMD患者が処置を必要とする症例が増えてきていることである。本ステートメントの目的は、鎮静または全身麻酔を受けるDMD患者のケアに携わる臨床医の助けとなることであり、患者や患者家族などこの分野の関係者すべてに当該テーマに関する最新の医学文献を要約して情報を提供することであり、さらに今後の研究を必要とする分野を特定することである。

 本ステートメントの第一の目的は、鎮静処置または全身麻酔を受けるDMD患者の管理およびアウトカムを改善することであるが、関連する事柄についてもいくつか強調したい。第一に、患者が疾患の経過のできるだけ早期に、望ましくは心肺機能が保たれている時期に鎮静処置または全身麻酔を受けることができるよう、側弯症の手術や胃瘻造設術などの手術および処置を行う時期を適正に選ぶ努力をするべきであるということ[6]。第二に、グルココルチコイドはDMD患者の治療に使用されることが増えてきているが、グルココルチコイドにより呼吸筋力が保たれることがあり、側弯症の手術[8]や胃瘻造設術などの手術の必要性が減ること、すなわち全身麻酔や鎮静処置による死亡リスクが減少する可能性があるということ。最後に、処置が必要なDMD患者に対し、例えば疼痛コントロールでは局所麻酔薬を使用するなど全身麻酔と鎮静処置に代わる方法を可能な限り考えるべきであるということ[9]。

方法および構成


 本コンセンサスステートメントは米国胸部専門医会の 小児胸部委員会(Pediatric Chest Medicine)とホームケアネットワーク(Home Care NetWorks)主導で召集されたパネルが作成したものである。本パネルは、麻酔学、救命医療、神経学、整形外科、小児・成人呼吸器科および呼吸療法の分野の専門家で構成されている。本パネルは20061月より20071月まで、主にテレコンファレンスを通してこのプロジェクトに取り組んできた。著者らは利益相反をすべて明示し、ACCPから完全な独立性が認められていた。パネルは作業グループに分かれ、関連する最新の医学文献を特定してレビューを行った。医学文献の検索と入手には米国国立医学図書館(National Library of Medicine)および米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)による情報サービス、すなわちMEDLlNEのデータベースなどをもつPubMedwww.pubmed.gov)を利用し、英文原稿のみを対象とした。本ステートメントのテーマに関係する無作為化対照試験は一部のみしか存在しないため、エビデンスに基づくガイドラインではなく、専門家の意見から導き出されたコンセンサスステートメントをここに報告する。推奨についての合意は構成委員の多数決によって行われたが、推奨事項のいずれに対しても異論はなかった。本コンセンサスステートメントは、鎮静処置または全身麻酔を受ける患者の評価と管理について、施行前、施行中、施行後という項に分かれている。各項は、サブトピックのレビューを行い、次いで具体的提案を箇条書きにした構成になっている。ACCPの 保健科学政策委員会(Health and Science Policy Committee)はこれらの推奨は、エビデンスに基づいたものではないため、成果測定や能力目的で使用されるべきではないことを明示する。

. 全身麻酔または鎮静処置の施行前の呼吸補助および関連する医学的管理
(術前)

  1. 肺の評価

 DMDの特徴は横隔膜、肋間筋および呼吸補助筋の筋力低下であり、これらの筋力低下から拘束性肺障害を起こし、全肺気量と肺活量の低下が進む[10-11]。これらの異常により低換気が生じたり、咳の能力が低下したりするようになり、無気肺や呼吸不全が起こりやすくなる。DMD患者に対して、全身麻酔または鎮静処置を施行する前に室内気にてSpO2を測定するべきであり、室内気にてSpO295%未満であれば、血液と呼気終末(または経皮:訳者追加)またはそのどれかの炭酸ガス分圧を測定するべきである。さらに、DMD患者に対して、下記の肺機能指標を測定するべきであり、これらの指標によって、呼吸器系合併症のリスクおよび周術期の呼吸補助と咳の介助の必要性を評価するようにする。

 FVC: DMD患者に対して呼吸器系合併症のリスクを評価する際、 FVCは肺機能指標として予測的中率が高いという報告が極めて多い。予測値を測定する際、車椅子の患者には通常、腕を広げた両指先間の距離を用いて身長を推定するが、尺骨の長さから計算して求めることもできる[12]。FVC の測定は通常、患者を直起座位にして行う。DMD患者に脊椎固定術を行う場合、FVCが予測値の30%未満であると術後に呼吸器系合併症を生じること、および術後に呼吸補助を要することが予測されることが確認されている[l3-15]。しかし、研究[16-18]により、FVCが予測値の30%未満のDMD患者に対する脊椎固定術において、NPPVに加え、MI-Eによる咳の介助を行う方法で術後に抜管を促すと関連リスクは大幅に減少することが示唆されている。さらに、経皮的内視鏡下胃瘻造設術については、肺活量が予測値の30%をかなり下回っているDMD患者に対しては、麻酔の導入中および回復中にNPPVを行う方法により施行することが可能になる[19]。以前のコンセンサス会議の報告[20] では、FVCが予測値の50%未満の低換気症状を認める進行性神経筋疾患患者に対してNPPV を推奨した。今回のパネル・コンセンサスは、直起座位で測定したFVCが予測値の50%未満のDMD患者は、全身麻酔または鎮静処置を受けると呼吸器系合併症のリスクが増え、FVCが予測値の30%未満のDMD患者は合併症のリスクが高いというものである。DMD患者は横隔膜の筋力が比較的保たれ得るが[l0,ll]、術中および術後は仰臥位に限られることが多い。したがって、仰臥位でのFVCが低い患者は術後に無気肺と低酸素血症を生じやすいため、直起座位と仰臥位の双方でFVCを測定することが有用となり得る。

 MIPMEPPCFMIPMEPは、呼吸筋力の評価に用いられ、DMDにおいて、これらの値は臨床上、有用である[4,10]。術前の有用な検査としてはこの他にPCFの測定がある[21]。これらの指標の低下は、咳を発する能力、すなわち気道分泌物のクリアランスに必要な咳の力と速さが低下していることを反映する[4,22]。気管切開チューブを挿入している患者の場合、介助咳によるPCF160L/min未満であると、気管切開チューブの抜管に失敗するリスクが高く、 成人DMD患者の場合、PCF270L/min以上でないと肺炎および無気肺のリスクが高い[23-25]。さらに、若年成人のDMD患者の場合、MEP60cmH2O未満であると、有効な咳を発することができない可能性がある[26]。したがって、パネル・コンセンサスは、PCF < 270L/min またはMEP < 60cmH2O DMD患者は、咳嗽力が低下しているため、鎮静処置または全身麻酔により呼吸器系合併症のリスクが高くなるというものである。これらの閾値を決定するために用いたデータは、青少年および成人の患者から得たものであり、年少児に対しては、咳嗽力低下のリスクを予測するためのMEP値とPCF値は不明である。

  1. 処置前に開始する非侵襲的呼吸補助

 FVC が予測値の50%未満のDMD患者、特に FVC が予測値の30%未満のDMD患者には、呼吸器系合併症のリスクを考慮して、NPPVを使用した術前トレーニングの実施を考えるべきであるというのがわれわれの統一見解である。NPPVを使用した術前のトレーニングにより、全身麻酔や鎮静からの回復時および術後に気管内チューブを抜管する際、NPPVを順調に実施できる可能性が高くなる(後述のⅡとⅢの項を参照)[4,6,18,27,28]。同じく、PCF270L/min未満またはMEP60cmH2O未満の成人患者は、有効な咳が出せなくなるリスクを伴うため、徒手的および器械的な咳介助を行う術前トレーニング(気道分泌物を排泄する装置を用いたMI-E[カフアシスト:レスピロニクス社製、ペンシルバニア州マリーズヴィル])を実施することが推奨される。トレーニングには参考文献[24,27,29]に記載されたテクニックを使用する。

  1. 心臓の評価

 DMDは拡張型心筋症や肥大型心筋症および不整脈を伴う。DMD患者は、低酸素血症、貧血、および組織への酸素運搬減少をもたらすその他の原因により、周術期に心臓に副作用が及ぶリスクが高い。また、血管内液の移行により、うっ血性心不全を引き起こしたり、心室前負荷が障害されたりすることがある。これらの問題について、米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)が召集した専門家パネルがレビューを行った。この専門家パネルが策定した最近のコンセンサス・ステートメント[30]で、DMD患者には、麻酔を施行する前に心臓の評価および心臓の治療の最適化を行うべきであると述べている。DMD患者において、軽度の肺障害のみ認め、術前のECGが正常であっても心疾患が重度であることがあり、さらに、心エコー所見は術後の心臓合併症の出現可能性を除外しないため、DMD患者はすべて術前に心臓専門医のコンサルテーションを受けることが推奨される[31]。

  1. 栄養および胃腸の問題

 良好な栄養サポートはDMD患者を適切にケアするために不可欠であり、栄養不良が呼吸筋強度に及ぼす有害作用は深刻である[4]。したがって、栄養不良により術後に病的状態を悪化させることがあるため[32,33]、術前に栄養状態を評価し、最適化しておくべきである。術前の栄養状態の最適化に、NPPVの使用が必要になることがある。これは呼吸不全が未治療であると呼吸仕事量が増加するため栄養不良になる可能性があるからであり、あるいは呼吸困難のため食物を摂ることができないからである。術前の評価として、血清アルブミンおよびプレアルブミンを測定するべきであり、これにより治癒不良のリスクを伴う患者を特定する。さらに、術後に食物を摂ることができないと栄養不良をもたらすことがあるため、嚥下障害についても、術前に評価と治療を行っておくことを考えるべきである[32]。

  1. 事前指示

 DMDは進行性の致死性疾患である。したがって、(蘇生指標などの)事前指示に加え、人工呼吸への長期依存や気管切開に対する考え方について、術前にDMD患者および保護者と話し合っておくべきである。さらに、これらの問題についての決断を明確に表し、利用しやすい診療記録にしておくべきである。

DMD患者における全身麻酔または鎮静処置の施行前に行う評価と管理について具体的提案の要約

1. 全身麻酔または鎮静処置を伴う処置の施行前に麻酔科および呼吸器科からコンサルテーションを得る。

2. FVCMIPMEPPCFおよび室内気でのSpO2の測定など肺の評価を行う。室内気でのSpO2 < 95%の場合は血液と呼気終末の双方または一方の炭酸ガス分圧を測定する。DMD患者はFVCが予測値の50%未満であると呼吸器系合併症のリスクが増加するとされるが、特にFVCが予測値の30%未満の高リスクの患者にはNPPVを用いた術前トレーニングを考える。成人患者の場合、PCF < 270L/min またはMEP < 60cmH2O であると有効な咳が出せないリスクが高いとされるため、このような患者には術前に徒手的咳介助および器械的咳介助のトレーニングを考える。このトレーニングでは気道クリアランスを行う装置を用いて重点的にMI-Eを行う。

3. 患者を心臓専門医に紹介し、臨床評価および心臓の治療の最適化を行う。

4. 栄養評価を行い、栄養状態を最適化し、さらに嚥下障害の対処方法を考える。

5. 全身麻酔または鎮静処置のリスクと利点について患者および保護者と話し合い、処置についての決断を助け、さらに蘇生指標に関する決断、該当する場合は事前指示についての決断を助ける。

. 全身麻酔または鎮静処置の施行中の呼吸補助および関連する医学的管理
(術中)

  1. 全身麻酔薬の選択

DMD患者は特定の麻酔薬、特にハロタン、イソフルラン、セボフルランなどの吸入麻酔薬に曝露されると、高熱発症および横紋筋融解のリスクが増加する。これらの発生によって、高カリウム血症を生じ、心停止を起こして急死することがある[2,34]。高熱および横紋筋融解の発症は悪性高熱症に類似するが、DMDと悪性高熱症とは遺伝学的に異なる疾患である。脱分極性筋弛緩薬であるサクシニルコリンは、不安定な細胞膜を破壊する可能性があり、DMD患者における急性横紋筋融解、高カリウム血症および心停止と関連づけられてきた[35]。実際、DMDを疑われていなかった若年患者が全身麻酔関連の高カリウム血症から心停止を来たして急死し、その後DMDと診断されたという報告が多数ある[36]。サクシニルコリンはDMD患者に禁忌であることが広く認識されているが、最近、吸入麻酔薬もDMD患者に禁忌と考えるべきであることが示唆されている[34]。

  1. 医療スタッフおよび医療設定の選択

 米国小児科学会(American Academy of Pediatrics)および米国麻酔学会(American Society of Anesthesiologists)のガイドラインによると、鎮静処置は、麻酔医が立ち会い、十分なモニタリングと安全対策のもとで行われるべきである[37-38]。術中はSpO2を持続的に、血液または呼気終末(または経皮:訳者追加)の炭酸ガス分圧を可能な限りモニタリングする。鎮静処置または全身麻酔を伴う処置は、最適な医療設定下(例えば、麻酔回復室や手術室など)で、必要な熟練スタッフ(例えば、DMD管理に経験を積んだ麻酔医、NPPV療法に熟練している呼吸療法士など)をそろえ、呼吸器系合併症のリスクを最小限に抑える備えで施行されるべきである[6]。処置後の治療に備えICUを使用できるようにしておくべきである[28]。
  1. 全身麻酔の維持中または鎮静の処置中に行う呼吸補助の選択肢

 全身麻酔の維持中または鎮静の処置中に行う呼吸補助の種類は、処置内容および使用する(静注用や吸入用など)麻酔薬のタイプによって決まるであろう。呼吸補助の選択肢として、特定の患者ではNPPVで抜管を促す方法を用いることになる気管内挿管、ラリンジアルマスクの使用、エアリーク防止シール付のマウスピースを介した人工呼吸、フルフェイスマスクまたは鼻マスクをインターフェイスとして徒手的または(従来の人工呼吸器または非侵襲的二相性陽圧式人工呼吸器を用いての)機械的な人工呼吸がある[6,17,19,39-45]。

  1. 全身麻酔の導入中、全身麻酔からの回復中、鎮静の処置中に行う呼吸補助の選択肢

 全身麻酔の導入中はアシスト換気またはコントロール換気を行うのが標準的な方法であるが、慢性呼吸不全により、呼吸の予備能力に限界があるDMD患者において全身麻酔からの回復中および鎮静処置の施行中にも呼吸補助を受けることは有益であろう。この場合に行う呼吸補助の選択肢には、流量膨張型の用手蘇生バッグ(標準的な麻酔バッグ)を用い、インターフェイスとしてフルフェイスマスクまたは鼻マスクを介した徒手的換気補助や、従来の人工呼吸器または非侵襲的二相性陽圧式人工呼吸器を用い、インターフェイスとして同じくフルフェイスマスクまたは鼻マスクを介した器械的人工呼吸などがある。処置中に挿管されていた患者は、必要に応じて抜管して直接NPPVに移行することができる(後述のⅢAを参照)[3 ,6 ,l7-19,27, 28, 44, 46]。FVCが予測値の50%未満のDMD患者はリスクが増加すると考えるべきであり、FVCが予測値の30%未満のDMD患者は高リスクであるため、全身麻酔では導入中と回復中に、鎮静処置では施行中にアシスト換気またはコントロール換気を行う必要があると考えるべきである。

DMD患者における全身麻酔または鎮静処置の施行中に行う評価と管理について具体的提案の要約

1.全身麻酔の導入と維持はすべて静脈麻酔法で行うことを考える(プロポフォールや短時間作用型オピオイドなど)。サクシニルコリンなどの脱分極性筋弛緩薬は、致死的反応のリスクがあるため絶対禁忌である。

2. DMD患者に全身麻酔または鎮静処置を行う際は、医療設定および立ち会う医療スタッフの最適化を行い、処置後ケアに備えICUを利用できるようにしておく。術中はSp2については持続的に、血液または呼気終末の炭酸ガス分圧については可能な限りモニタリングを行う。

3. DMD患者に対する全身麻酔の維持中または鎮静の処置中に行う呼吸補助にはいくつかの選択肢がある。これらの選択肢についてはⅡCの項で概説した。

4. FVCが予測値の50%未満のDMD患者には、特にFVCが予測値の30%未満のDMD患者には、全身麻酔の導入中、全身麻酔からの回復中、および鎮静の処置中は前のⅡDの項で概

説した方法のいずれかを用いて、アシスト換気またはコントロール換気を行うことを考えるべきである。

. 全身麻酔または鎮静処置の施行後の呼吸補助および関連する医学的管理
(術後)

  1. 呼吸補助

 ベースラインのFVCが予測値の50%未満のDMD患者、特にFVCが予測値の30%未満で全身麻酔または鎮静処置の施行中に気管内挿管をしていた患者は抜管後に直接NPPVに移行することを考えるべきである。さらに、術前にNPPVを行っていた患者に対しても抜管後に直接NPPVに移行することを考えるべきである(前述ⅡDを参照)[27,44]。NPPV24時間使用することをベースラインとする場合を除き、その後、忍容性に応じてNPPVの持続的使用から離脱できるようになる[18]。成功の確率を上げるには、気道分泌物の管理が良好で室内気でのSpO2が正常またはベースラインに達するまで抜管を遅らせることを考える[46]。術前にNPPV を使用していた場合は、抜管後に患者自身のインターフェイス(自宅で使用しているマスクやマウスピース)を使ってNPPVに移行するのが望ましく、そうすることでマスクのフィット不良に起因する顔面の褥瘡の発生を抑え、インターフェイスを最も快適に使用できるため抜管が成功する確率が上昇する[6,27]。患者が抜管するための最良の医療設定は、インフラストラクチャーおよび個々の臨床医と施設の見解によって決まるものである。しかし、ベースラインとして非侵襲的呼吸補助を必要とする患者は、ICUに入室していれば臨床的に不安定状態のときにICUに移送されるというリスクを回避できるため、手術室や回復室ではなくICUにおいて最も順調に抜管からNPPVに移行できる可能性がある[28]。ベースラインのFVCが予測値の50%未満のDMD患者には術後にNPPVを使用することを考えるべきであり、FVCが予測値の30%未満のDMD患者が処置中、ラリンジアルマスクまたはNPPVの使用により呼吸補助が得られていた場合は、術後にNPPVを使用することを強く考えるべきである(前述ⅡCを参照)。
 酸素付加療法

 酸素付加療法は(低換気や無気肺などの)基礎原因を治療することなく低酸素血症を是正するものであり、呼吸中枢ドライブを損なうことがあるため、術後、DMD患者に対して行うときは細心の注意を払うべきである[46,47]。全身麻酔または鎮静処置の施行中および施行後は心肺状態が安定するまでSp2を持続的にモニターするべきである。可能な限り、血液ガス分析による炭酸ガス分圧またはカプノメータによる呼気終末炭酸ガス分圧(または経皮炭酸ガス分圧:訳者追加)をモニターして評価する。低酸素血症が低換気、無気肺、気道分泌物のいずれから生じているか判断し、適切に治療する。

 咳の介助
  咳嗽力の低下(青少年または成人の場合、術前のPCF < 270L/min または 術前のMEP < 60cmH2O とされる)が確認されるDMD患者はすべて術前に徒手的咳介助およびMI-Eによる咳介助を行うことにより恩恵を受けるであろう。MI-Eによる恩恵のひとつは、咳の力を増強することや送気により深呼吸をもたらすことにより、無気肺の治療と予防ができることである。また、MI-E は、患者が脊椎、胸部、腹部などの手術を受けた際、術後痛のため自発的な咳ができない場合に有用となり得る[24,25,27,29]。さらに、MI-E は、抜管せずに引き続き気管内挿管されている患者にも気管内チューブを介して使用することができる。
  1. 疼痛管理

  疼痛により呼吸ドライブが抑制される懸念があるため、疼痛管理を軽んじることなく十分に行うべきである。患者がオピオイド鎮痛薬の投与で鎮静されているときは、NPPVを持続的に使用すること、または気管内チューブの抜管を2448時間遅らせることにより、十分な換気を得ることができる。疼痛管理が不可欠である一方で、患者が覚醒していて協力的であると抜管が成功する確率が大きくなる。脊椎固定術を受ける患者には痛覚消失を得るために、オピオイドの間欠的または持続的な点滴と硬膜外カテーテル経由による局所麻酔薬投与との併用、またはいずれかの単独で中枢神経に作用する方法が用いられており、呼吸器系の副作用はきわめて軽微である[48]。
 心血管系の管理
  DMD患者は、術中および術後にうっ血性心不全および不整脈が生じるリスクが高く、ストレスに反応して心拍出量を増加させる能力に限界がある。脊椎固定術や他の主要な手術の際に輸液静注や輸血が必要になることが多いが、輸液静注や輸血の後に患者は血管内の体液バランスを崩すことがある。このような問題が生じた場合、術後に心臓専門医のコンサルテーションが必要であり、体液バランスに細心の注意を払い、心肺系に対して集中的なモニタリングを行う必要がある[30]。
 胃腸と栄養の管理
  DMD患者は胃腸の平滑筋の運動不全を伴う。術後にDMD患者は胃不全麻痺、腸の運動不全、便秘を有することがあり、これらの症状はすべて鎮痛薬によって悪化する可能性がある。胃腸の蠕動運動不全から腹部が膨満して腹腔内圧が上昇した場合、横隔膜の可動域が不十

分となり、術後に呼吸障害をきたすことがある。また、胃腸の蠕動運動不全により、NPPV使用時に胃の膨満が起こりやすくなる。したがって、経鼻胃管を挿入し、胃を減圧する必要が生じることがある。術前と術後は、便秘の回避や治療のために腸のレジメンを用いるべきであり[33]、特定の患者は消化管の蠕動運動促進薬を用いた薬物療法から恩恵を受けることがある。術後に経口で栄養摂取できないと栄養不良の悪化と筋力の低下をもたらすことがある[32]。したがって、DMD患者が術後2448時間、経口で十分な栄養の摂取ができない場合は小さい直径の経鼻胃管または経鼻十二指腸管による栄養補給を行うべきであり、さらにイレウスがある場合は経静脈栄養法を行うべきである。

DMD患者における全身麻酔または鎮静処置の施行後の管理について具体的提案の要約

1. FVCが予測値の50%未満であるDMD患者には抜管を考え、特にFVCが予測値の30%未満であるDMD患者には抜管後に直接、NPPVに移行することを考える。抜管を成功させるためには、気道分泌物が十分にコントロールされるようになり、室内気でSp2が正常またはベースラインになるまで抜管を遅らせることを考える。その後、耐容性に応じてNPPVの持続的使用から離脱することが可能となる。抜管後は、可能であれば患者が自宅で使用しているインターフェイスを使用するようにする。

2. 酸素付加療法は細心の注意を払って行う。全身麻酔または鎮静処置の施行中および施行後はSp2を持続的にモニターする。可能なときは常に、血液または呼気終末の炭酸ガス分圧を評価する。低酸素血症が低換気、無気肺、気道分泌物のいずれから生じているか判断し、適切に治療する。

3. 咳の力が低下しているDMD患者には、術後に徒手的咳介助およびMI-Eを行う。青少年および成人の患者の場合、PCF < 270L/min またはMEP < 60cmH2O であると咳の力が低下しているとされる。

4. DMD患者の術後疼痛管理を最適化する。鎮静状態と低換気またはその一方が認められる場合は気管内チューブの抜管を2448時間遅らせるかNPPVを使用する。

5. 心臓専門医のコンサルテーションを得て、術後に心臓と体液の状態を厳密にモニターする。

6. 便秘の回避や治療のために腸のレジメンを開始し、消化管運動促進薬の投与を考える。蠕動運動不全の患者には経鼻胃管を使って胃を減圧することを考える。術後に経口摂取が2448時間遅れた場合は、経静脈栄養法または小さい直径のチューブによる経腸栄養法を開始する。

. 今後の研究が必要な分野

 本コンセンサスステートメントで検討した分野はプロスペクティブな無作為化研究が不足しているのが特徴である。全身麻酔または鎮静処置を受けるDMD患者のケアについて、エビデンスに基づいたガイドラインの策定が必要な分野には具体的に次のようなものがある。DMD患者が異なるタイプの処置を受けるに際し、術後の呼吸器系合併症の発症リスクを予測するベースライン肺機能指標を特定するためのプロスペクティブ研究。NPPVMI-Eとの併用またはその一方により恩恵を受け、術後に順調に抜管できる可能性の高いDMD患者を判定するための無作為化プロスペクティブ研究。全身麻酔の際に維持中および回復中に行う非侵襲的呼吸補助の方法について有益性、安全性、有効性を評価する研究。術後のMI-Eなど咳を介助する様々なテクニックの有益性、安全性、有効性を評価する研究。DMD患者にNPPVMI-Eを行う際に最大の効果をもたらす特定の器械設定を調べる研究。高頻度胸壁振動法や肺内軽打換気法など代替の排痰法についてその役割を明確にする研究。DMD患者が処置を要するとき、心臓および栄養に対して周術期に行う最適な管理方法をさらに明確にする研究。

謝辞: われわれは、この計画を支援してくださった米国胸部専門医会(ACCP)および筋ジストロフィー協会(Muscular Dystrophy Association)のリーダーシップとスタッフに感謝する。

 

P.1978の脚注

*From MetroHealth Medical Center, Case Western Reserve University (Dr. Birnkrant), Cleveland. OH; Children's Hospital of Philadelphia (Dr. Panitch), University of Pennsylvania, Philadelphia, PA; University of Washington (Dr. Benditt and Mr. Boitano), Seattle, WA; Children's Hospital (Dr. Carter), University of Washington, Seattle, WA; Muscular Dystrophy Association (Dr. Cwik), Tucson, AZ; University of Pittsburg (Drs. Finder and Motoyama), Pittsburgh, PA; University of Texas Southwestern Medical School (Dr. Iannaccone), Dallas, TX; Shriner's Hospital (Drs. Jacobson and Sussman), Portland, OR; University of Medicine and Dentistry of New Jersey (Dr. Kohn), Newark, NJ; University of Rochester (Dr, Moxley), Rochester, NY; University of Wisconsin (Dr. Schroth), Madison, WI; and Rush University School of Medicine (Dr. Sharma), Chicago, IL.

Dr. Cwikは 筋ジストロフィー協会(Muscular Dystrophy Association)に常勤している。Dr. Schrothは脊髄性筋萎縮症家族会(Families of Spinal Muscular Atrophy)より助成金を受けており、同会諮問委員会のメンバーである。Dr. Sussmanはシュライナー病院研究基金(Shriner's Hospital Research Fund)より助成金を受けている。

2007418日に原稿が受領され、2007616日に校正原稿が受理された。米国胸部専門医会(American College of Chest Physicians)から書面による許諾を得ずに本稿を複製することを禁止する。 (www.chestjournal.org/misc/reprints.shtml)

Correspondence to: David J. Birnkrant. MD. FCCP, Department of Pediatrics, MetroHealth Medical Center, 2500 MetroHealth Dr, Cleveland. OH 44109-1900; e-mail; dbirnkrant@metrohealth.org

DOI: l0.1378/chest.07-0458

Birnkrant DJ, Panitch HB, Benditt JO. Et al. American College of Chest Physicians Consensus Statement on the Respiratory and Related Management of Patients With Duchenne Muscular Dystrophy Undergoing Anesthesia or Sedation.Chest 132: 1977-1986,2007


 
 
 



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