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白紙の状態から議論していきましょう。

顔面肩甲上腕型(FSHD)の患者分科会発足へ向けての議事録

(医学情報登録に向けての準備世話人会)


 

 

場 所:JA共済ビルカンファレンスホール

 日 時: 平成261128日 1730
 出席者:  
  田中裕二郎准教授・三橋弘明助教
  三橋里美室長・濱中耕平研究員
  本田充特別会員・八代弘会員
  貝谷久宣理事長・矢澤健司副理事長
  中里俊晴会員
   
 
 
 

【はじめに】

小牧班の班会議で「筋ジストロフィーに対する福祉政策の現状」の発表資料作成にあたり,QOL向上と、筋ジス病棟の事はそれなり理解していたつもりでしたが、根本原因と治療法の解明については、研究は進んでいるけれど、私の手の届く所では無いと思っていました。

資料作成するにあたり、田中先生に連絡させて頂き、研究の状況の助言を頂きました。数少ないFSHDの研究で、細胞・分子機能の解明を目指した基礎的な研究から偶然にFSHDとの関わりを発見した事等を教えて頂きました。イタリアの研究グループと共同研究が進んでいる事、アメリカのFSH Society (https://www.fshsociety.org/)についても知りました

日本でも、患者会が積極的に関わり大学等での基礎研究を推進する事により、他の筋疾患グループでも希望が見えるようになれば、日本筋ジストロフィー協会の活動もより活発化されるだろうかと考え、理事長に提案致しました。これらの事から班会議に,FSHDの国内での数少ない基礎研究者3名と、若いFSHD当事者の研究者2名、に出席頂ける事になり顔合わせする事になりました。

 

【話あった事】 
1.当事者が方向を決める事が出来る組織と体制の構築を目指す。 
2.急がず、人間関係を大切にしながらよく検討・相談して進める。 
3.FSHDの遺伝子診断が保険適用になっていないので、平成28年の診療保険点数の改定に向けて働きかけていく。 
4.長年のFSHD遺伝子診断等の実績のある精神神経センターの西野一三先生と東京医科大学の林由起子先生に、顧問としてあらゆる面でご指導頂き、基礎研究が加速出来る様にする。 
「一般社団法人日本筋ジストロフィー協会(以下、筋ジス協会)」の神経・筋疾患医学情報機構既存の患者登録システムを使用する。(既存システムの見直し含め検討する) 
6.例えば福山型の場合は、東京女子医大と云う拠点病院があるが、FSHD患者にはそのような拠点はない。そこで、筋ジス協会支部組織を通してFSHD会員に参加を呼び掛けたり、FSHDと疑われた早期の段階での、情報提供が出来る仕組みが必要です。同時に、旧筋ジス病棟の患者や大学病院等を受診している在宅療養の人達も、参加し易い様にすることも必要。 
7.長年筋ジス協会に尽力頂き、筋ジス協会や地方等で長年会員とつながりが多い、埜中征哉先生と石川悠加先生に生活の面(臨床疫学)の助言が大きいので、協力を求めたい。 
8.FSHDの基礎的な研究は、他の病気にも通じる事があり、海外では研究者が増えているので、日本でもその様になれば良い(交流会で田中先生) 
9.20155月の筋ジス協会全国大会の時に承諾を得るように、当面FSHD当事者3名により、適宜相談して検討する。 
10.組織立ち上げ準備のための情報交換の仕組みの整備( FacebookMLを設定) 

11.患者分科会としての目的をもっと明確にすべき。

◎FSHD患者と研究者に利益をもたらす事として、患者分科会として基礎研究者と交流し研究動向の把握を進め、臨床情報遺伝子情報管理と患者情報管理の一元化をめざし、根本治療に向けて社会の理解を求める活動をする。

 
 
 
 
 

 
 本田充さん自己紹介
FSHD患者の本田充です。
まだ直接のご挨拶をさせて頂いていない方々には、メールにて失礼致します。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
目標などに関しまして、自分自身の意見を申し上げていませんでしたので、こちらにて失礼します。
わざわざ僕が言い改める必要もないかと思いますが、皆様が議論して頂きました大事な目標全てに通じる最終目標は、「FSHD患者のQOL向上」です。
皆さんのご指摘の通りで、常に「患者のためになるか」、あるいは「不利益に思う患者がいないか」という視点は意識せねばならないと思います。
また、せっかくこのような会が発足したので、患者の立場から一つやりたいことがあります。
以下少し長いので、休憩がてらにでもごらん下さればと思います

FSHDは、あえて言うなら、半分は心の病気だと思っています。
じわじわと時・場所を変えながら、筋肉を侵す病ですが、そこで失うのは筋肉ばかりでなく、今まで当たり前に出来ていたこと、です。
自分をはじめ多くの患者さんは、10代から発症していきます。
10代といえば、むしろ色々なことができそう、と自分で夢を膨らませ、挑戦できる時期でもあります。
そんな中で、FSHD患者は、「出来なくなる」不安を抱えて過ごすことを強いられます。
自分もそのせいで、何事にも消極的となり、もっと言えば健常者への嫉妬さえ生まれてしまいました。
「ちょっとずつ出来なくなっていく」、「出来るには出来るけど、中途半端にしか出来ないことが色々ある」というFSHDならではの病態がもたらす結果ともいえます。

「せっかくFSHDという珍しい疾患に生まれたのだから、楽しまなければ」

そんな発想の転換にいたったのも、結局10年ほどかかってのことでした。
きっかけは、大学3年で東南アジアを旅した時でした。
ラオスの山奥の村へ船で着き、川から上陸しなければならなかったのですが、村へは普通の人でも登るのがきつい崖を登らなくてはいけませんでした。
困っていると、村人達が自分のことを担ぎ上げ、お祭り騒ぎのようにはやしたてながら上まで連れていってくれました。
このときから、「実は何とでもなるのでは」という思考が働き始めました。
そして、この不思議なシチュエーションは、病気だからこそ味わえたのだ、と気づいたのです。

この感覚をきちんと確かめたく(科学の言葉で言うなら再現性ですね)、また、歩けるうちに色々な世界を見ておきたい、という気持ちが高まり、結局、8ヵ月半にわたる世界一周の放浪旅に出るにいたりました。
FSHDでなかったら、きっとしていなかったことです。
もちろん、再現性に関しては、多くのN数と確かな有意性を持って示されました。
障害ゆえの困難が、一味違う経験とコミュニケーションの機会を何度となく生み出したのです。

思えば趣味であるギターも、FSHD発症のサインでもあった、バイオリンが弾けなくなったことで、何か別のことをしようと思って始めたものでした。
そして今は、どうやったらFSHDの基礎研究が出来るかを模索する中で、皆様含め、色々な先生方とお話させて頂き、また研究に限らず様々な出会いがあり、これもまたFSHDだからこそ、であると感じています。

ひとは皆やりたい事をたくさん抱えていながら、日々の生活におされ、何となく忘れてしまっていることも多いと思います。
FSHDは、「出来なくなる」病気ですが、見方を変えれば、出来るうちに「挑戦するきっかけ」を与えてくれる病気で、その意味において、生きる上で大切なことを意識させてくれる、大きなメリットがあるものと思います。
そして、「出来なくなった」あとにも、また別の「出来ること」がきっとあり、それが更に視野を広げる「きっかけ」になります。

なのでFSHDの患者会をやるからには、自分よりも若いFSHD患者達を少しでも多く集め、この自分が10年かかって気付いたことに、出来る限り早く気付いてもらいたいのです。
何が出来るか、という具体案はまだないのですが、皆様のアイディアも頂きながら、このことを何とか伝えていきたいです。

僕自身は、複数のことを同時に処理・思考ことのが苦手なタイプで参っているのですが、フットワークの軽さだけは少々自信があります。
この能力を生かして、この会の発展にお役に立てればと思っております。

皆様どうぞご協力お願いいたします。

本田充
 
 
側 克彰さんからのコメント
八代さん 連絡ありがとうございました。

札幌市での小牧班の講演以来大変ご無沙汰しております。

ファイルを見せて頂きまして筋ジス患者の事がまとめておられ 私も同調いたします。北海道では、八代さんもご存じであります
国立北海道神経・筋疾患呼吸器医療センターのいち早い設置 運動を今でも行っています。アンケートで123件回答の内反対が 3件という結果でも分かりますよう北海道患者の一致した願いでも あります。北海道で培ってきた筋ジス患者に対する呼吸器医療を 引き継ぐ素晴らしい医療体制を構築したい要望も入っております。
この度の八代さんの思いと重なる部分も多々あります。その後声を 上げて4年が経ちました。八代さんが強力なメーセージをいつも 発信されていますので、私も勉強させて頂き自分を奮い立たせて います。難病法については残念ながら今でも筋ジストロフィー患者に とってのプラスが見えません。

八代さんは、地方病院でのドクター不足をどうお考えですか? 不足がイコール患者の医療の質の低下に繋がり、病棟での安心 した療養生活に危惧を抱かざるを得ないかもしれません。
アメリカのFSH Societyについて、以前から興味があったので見て いました。何分英語版なので読み進めることが大変でした。 レムディーでの登録でも次は顔面肩甲上腕型とのうわさを聞きました。
グループ発足はあった方が良いですよね。微力ではありますが、お手伝い出来ることがございましたらお声掛け下さい。




 
 
□20150717 「第三回 希少疾患登録ワークショップ」 に参加して
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1)希少な難治性疾患の登録と創薬への活用
2)指定難病の登録事業への貢献   …について